2012年2月16日木曜日

広告と料理

目利きの出来る料理人が最適な素材を
最高のレシピで仕上げる。食べる人に
おいしい時間と笑みのコボれる会話を
提供する。
明日になれば何も残らない。
しかしその記憶は消えず、また予約し
たくなる。

広告が元気だった80年代、私たちは料
理人を目指して就職した。天才や巨匠
と呼ばれる演出家はやっと通った企画
を見事に裏切り、自分の企画に書き換
え、代理店や制作会社を困らせた。
しかしその骨子だけをくみ取り、ビジ
ュアル化したものは、時代をヒット曲
のようにリードした。

宣伝部長も、企画と仕上がりの違いを
知っていたので、演出家の芸術を楽し
んでいた。