2011年8月20日土曜日

Gleeに見る負け犬マーケティング

シーズン③が9月から始まるオバマ大統領夫人
お気に入りのハイスクールミュージカル<Glee

製作ライアン・マーフィーは、成功の秘密を語る。
Gleeはポジティブ(楽観的)であること。
毎エピソードの陽気なエンディングが人々を結び
つけること。
Gleeの送り出すメッセージは
<あなたはひとりではない>
もしあなたがそうさせてあげれば
<あなたのことを愛してくれる人々がいる>
ということ。
この番組のもっと大きなメッセージは、
<自分らしくいること。自己表現すること。そして
他の人にあなたがどういう人間かを言わせたり
しないこと>

自分が<こういう人間>なのだと自分自身で
感じることに正直であれば、幸せになれるし、
世界をより良い場所にすることができる。

タグラインは実に右ストレート、普遍的である。

マーケティング的視点で言うと、70年代から90
代の有名曲の歌詞に着目し、その歌詞をドラマ
の主人公(負け犬)たちの苦難と同化させた脚本
から構成される。
当たり前では高額な著作権料をオファー(低予算条件)
する逆転プランの設計。
何故なら、曲なしにこの脚本はない。
そして有名曲の持ち主もみな最初からセレブで
はなく、若い時の苦労を覚えている。
製作者への共感がライツホルダーの常識を破壊
できたことだ。

オンエア翌日のiTunesで有名曲はオリジナルと
グリーバージョンと2つの曲の購買力を生み出し、
いまやオファーを心待ちにするアーティストが列
をなす。

シュースター先生も生徒たちも落ちこぼれの典型。
しかし歌を愛する気持ちは世代や偏見を超えて、
世界を動かすエンジンになる。

常識の向こう側にいる女神はそれを待っている。

TVタレントに頼った恋愛ドラマ・刑事ドラマ・医療
ドラマの<時間潰し>には女神は微笑まない。