特急券を買う理由は共通。高いが速くつく。
タレントを広告に使う理由も速く商品購入に
結びつける為に高いタレント料を払う。
ところが俳優とタレントの区別がない日本で
は、顔が知れている(TVによく出ている)が
有名人料としてタレント費を高騰させる。
俳優とは役者。演技の出来る養成された人
種。演技でフィーをもらう。TVタレントのきれ
いな顔立ちだけの人種とは職種が違う。
ところが広告主の責任者はタレントの人気で
選ぶ癖があり、俳優よりタレントを好む。
選択眼がないといえばそれまでだが、使い捨
てでもタレントがいい。タレントは旬が短い。
だから人気あるときにフィーは俳優よりも高い。
広告費のバジェットは変わらない。すると制
作費を減らしても高いタレントが起用される。
旬だから多少高い買い物でもいいの論理。
タイアップ音楽も同様、人気ヴォーカルの曲
が使いたい。届くスピードが速いから。
人気ヴォーカルも引く手あまた。売り手市場
の高騰フィーに制作費はさらに減額する。
生まれてくるのが広告のコモディティ化。
人気モノはたくさん出演しているから、どこの
広告だかわからないものになる。
20年変わらない悪循環。
CM女王なんてお馬鹿な称号をメディアが作
り出し特集雑誌で売られる。
特急券は誰のために生み出されたのか。
それは現場のセールスマンが、あの女優の
CMですよ、と言えるために生まれた、セール
ストークの代用品。もちろん原価に組み込ま
れている。昔ならテレカ、いまなら未発売の
ストラップをつけますとタレントで誘導する。
うまい!と飲むビールも、サラサラきれい!
というシャンプーも特急券なしで売る会社は
ない。消費者が高感度ナンバーワンという
タレントが起用され続ける。
CM会社は年々減少する。200社以上がひし
めいた花形産業は遠い昔。
広告のアカデミー賞カンヌ広告祭では特急
券は評価対象外。クリエーターは誰(言語や
肌の色の違い)に対してもわかることをベー
スとする。
ここ数年日本の受賞はウェブジャンル。
純粋広告を飛び出した人たちが活躍する。
特急券の効かないウェブではクリエイティブ
力がそのまま伝達力。
タレント事務所と別れてください。
基本に戻らないと産業が滅びる。