映画<ザ・ディープ>で主演ジャクリーン・ビセットの
水着を探すプロデューサーはマンハッタンのノーマ
の店を訪れた。キャラクターはスキューバダイバー。
ピチピチビキニでは合うはずがなかった。
ノーマがその時言った何気ないひと言が転機を呼んだ。
<じゃあ、水着の上にTシャツを着せたらどう?>
グラビアの表紙を飾ったこの組み合わせは、のちに
全米で濡れたTシャツコンテストを生んだ。
<ザ・ディープ>はヒットしノーマ・カマリはファッション
の多くの賞を受賞し巨匠となっていった。
超高級ブティックのカマリが2008年低価格で有名な
ウォルマートと組んだ。
そもそも20ドルの洋服をノーマ・カマリにつくれるのか?
高級ブランド支持層からも受け入れられ、新規の低所
得者層から理解されるデザイン。
実はノーマの起業は公立高校に通う母親向けのアパレル
からだった。彼女たちは着ていく服がないことを恥じ、学
校に行けなかった。
ウォルマートへのコンセプトは<異なっているが同じ>と
自身の想い出とリンクした。素材やカットは違うけどノーマ
の思いは双方(高所得者・低所得者)に同じ。
驚いたのはノーマだった。年齢体型バラバラだけどノーマ
ファッションに胸を張り地元ショップ店員が生きたマネキン
になり展示エリアに立った。
<これを売ることを誇りに思う>ノーマにメッセージが返っ
てきたのだ。
常に時代のセレブが表紙を飾るノーマカマリコレクション。
見ているだけでファッションの歴史が蘇る。
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