2011年6月21日火曜日

風が吹く瞬間 ①

突然視野が開き無風状態のトンネルと抜けると
心地よい南風になる時があります。

官庁系は20数社コンペを当たり前のように募集し
ますが、受けるほうは宝くじ状態。常連さんによる
出来レースも想定され、結果は神のみぞ知る。

某公営ギャンブルのCMコンペの時それは吹いた。

新参者で知識も少ない私達チームの案は、壁一杯に
広がるベテラン他社案の大男(B1size)に囲まれた小
人ボード(B2size)だった。(予算上一杯一杯だった)


イシューからはじめよ>でも作者が言うように、
イシュー度(白黒がはっきりしていない問題)の高い分
析により答えが見つかっていく。答えがあれば導線
(品質)を確保できればいい。

協議委員全員による投票は圧倒的勝利だった。
あいにく放送コード(射幸心を煽る)でそのコピーは適
応できないことが判明し、振り出しに戻ったかのように
見えたが、発注者はそのコンセプトに賛同し投票権を
持つ人達全員が賛成し受注となった。



1)勝負を意識せず、色眼鏡を使わない分析。
2)最高峰は何であり、いま何を目指すものか目的確認。
3)ビジュアルと言葉がリンクするイメージ。
4)説明のいらないオリジナルの創作。

経験上<風が吹く確率>は1%程度だろう。
あとはやるかやらないか。本人の気持ち次第。吹くかもしれ
ないでは賛同を得られない場合も多いだろう。

しかしやらないと100%、風は吹かない。
長いトンネルは長いままだ。<ラッキー>でも勝つことはあ
るが、勝った意味を理解できないままに次は必ず負ける。

撮影のためレースを下見に行った。買いませんかと誘われ
じゃあ1,000円だけと最終レースを買った。ビギナーズラック
は17倍で戻ってきた。引換所の隣で100万円買った人がいた。
17倍を両方のポケットに裸でつっこんでいた。

会場の人に言ったら笑って答えた。ああ、明日も来て置いて
いってくれますから…と平然としていた。深い。と溜息した。