倒産危機にあったアルビレックス新潟を復活させた
町起こしの達人池田弘さんが、おむすび会社を動か
した。高級おむすび<銀座十石>。
引き受けたのは社内ベンチャーで独立したワキョウ
インターナショナル葉葺さん。おむすびビジネスを知
るはずもなく、試行錯誤を重ねて素材を食べ歩き競
合社にも意見を求めた。
ある日紅鮭を築地場外で食べ歩き、ひとつだけ<妙
にうまい鮭>に出合った。店主に聞くと昔ながらの丁
寧な製法でつくったという。
閃いた葉葺さんは店主に聞いた紅鮭の特長をPOP
に書き、いかに素晴らしい鮭かを訴えた。
280円の法外な値段を顧客に理解してもらい味わっ
てもらった結果、大ヒット商品になった。
ある時、葉葺さんに手紙が届いた。故郷新潟の<南
蛮味噌>の生産者からだった。おむすびは普通<具
>で買うもの、味噌はなかなか難しい。
と考えるのが普通の人で、葉葺さんは違った。
味噌も鮭のように売りたい。
十石では鮭・明太子・梅は1日平均30~35個売れる。
味噌系は12~13個がせいぜいだったのを、連日60個
売る第二のヒットに仕上げた。
店頭でこの手紙を公開し、生産者の味噌への思いを
お客様に伝えたかった。そして商品名を生産者その
ままに<三代目・鈴木紀夫>とした。おむすびの名前
である。
のちに新潟の鈴木さんの店(小さなスーパー)に葉葺さん
は提案をした。<当店の味噌は銀座のおむすび屋さ
んで使われています>。銀座十石の写真やお客様の
声も送りPOPにしてもらった。
すると月平均30万の売上が10倍になった。地元の新
聞・雑誌社が取材に訪れ、お土産ギフトの注文も来た。
空港や大手スーパーも扱いたいとオファーが来た。
思いをストーリーデザインにすると人の感情は動く。
source:そうそうこれが欲しかった