2011年7月23日土曜日

映画産業の舞台裏 ③

いい脚本であることは、いい映画の絶対条件。
リメイクやシリーズの多いハリウッドではいい脚本の
枯渇が叫ばれて久しい。それは日本のリメイクでも
中国のリメイクでも関係なし。よければ買ってつくる。

ジャパンホラーの<リング><JUON>が全米一位を
獲ったこと。香港アクション<インファナル・アフェア>
がマーチン・スコセッシ監督<ディパーテッド>で一位
になったことは偶然ではない。

ジャパンホラーは、音と暗闇の恐怖が新しかった。
新しいとは、手法もあるが製作費。恐怖の対象物(モン
スター)をつくる必要がない。格安な恐怖感。
インファナル・アフェアは、マフィアに潜入する警察と警察
に潜入するマフィア。善悪の心理が入れ替わる脚本が新
しかった。

メジャーはすでに北米と世界を2つに分け、北米での興
行と世界での興行を1対2と考える。その中でアジア市場
はもちろん世界第二位の日本を中心に据える。
しかし6年連続30%の伸び率の中国が魅力的市場。
スクリーン数もすでに5000を数える。平均入場料は30元
(約405円)。主要46都市で16,776万人(全国83%2009年)
スクリーンのデジタル化も都市部では40%を超える。



デジタルの利点は何か。
データ送信のフィルムレス。放送に近い。
フィルムは1本30万円。これを木曜の夜配送し金曜初日。
世界中に配送するフィルムを考えればプリント費削減は
大きい。擦り切れることもない。映写マンも少なくていい。


映画館がデータ放送館となると何が変わるか。
番組の掛け替えを映画館ではなく送信サーバー側がコン
トロールできる。入場者のあふれるスクリーンには増設、
少ないスクリーンでは打ち切りを即断できる。
ローカルスクリーン別にシネアド差し込みも可能になる。

もちろんメジャーのサーバーが人工衛星を通じて送る回
線なので使用料は相当掛る。可能にできる会社はNTT。
ギガビット回線を既に持ち、ビルの中の映写機(デジタル送出機)
に接続するだけだ。

そう、NTTが劇場興行を主催すれば話は速い。
二次使用や三次使用は販売の得意なドコモにやらせて、
古い映画館システム(入場料1800円)を壊すことができるのは
ここをおいて他にない。日本中にビルを持ち、新たに買い増
す手間もいらない。

観客動員が3億人になれば1000円興行でも大手配給社は
文句は言わないだろう。総額3,000億になり3割増しだから。
プレゼンターがルーカスさん位じゃないと無理ですが。
知的財産戦略本部長の一声でないとルーカスさんは動きま
せん。以前小泉さんにルーカスさんは振られていますから、
(ルーカスアニメーション日本進出を断ったのでシンガポールになった)
今度は逆にお願いすることで50:50に戻す。
もちろん推薦者はソニー会長ストリンガーさん。プロジェク
ターはSONY(SXRD)ですからね。

堅いNTTでもルーカスさん位はご存じでしょう。著名人のプレ
ゼンで日本人のココロを動かし、この産業を再生する。
国内映画製作に必要なのは、見てもらう機会を増やすこと。

インフラとソフトが手を組めば観客は戻ってきます。