2011年7月22日金曜日

映画産業の舞台裏 ①

地主兼不動産屋さんが自社の建築部でマンション
を設計施工、自社の販売部が売り込んでいる。
規模は特定業者だけで年商2000億円。
公正取引委員会(独占禁止法所轄)は何してるのか?

そんな都合のいい仕組みで出来上がっているのが
いまの映画産業。大手3社が配給・製作・興行の川
上から川下までを独占し、国内映画産業を60年も
リードしている。

話の発端は1800円という世界一高い入場料の理由。
誰が決めたかを話してくれる人はいません。上記の
システムが生んだのです。

この話題で本にもなっていました。
 (映画館入場料金は何故1800円なのか)


1958年11,2億人(人口0,9億人)を記録した映画はTV
に押され入場者が激減。興行収入をキープするため
に年々それはアップさせていった。
これは特別な映画だから。それが値上げする時の
理由だった。
1958年平均64円 → 2009年1217円 (19倍)

文句言わない観客に興行側は赤字にしないために
当日券1800円まで上げておきながら、もう15年上げ
てませんよとどこかの名誉会長は発言している。

実は入場者数1億7000万人というのは国民の1/3の
映画マニアによって支えられ、彼らが3回以上行く。
残りの8600万人は映画館には行ってない。
もちろん1800円も払う気がないからだ。だから実質
国民平均1,2回という年間鑑賞回数は正解ではない。

問題は何かを巻き戻すと、

この不動産屋が経営する産業は成長できない。
なぜならその世界一高い入場料は世界一のままだ
から。(2012年春TOHOシネマズは1500円にする予定)
もうひとつの原因がブロックブッキング。
身内じゃない人の映画なんか掛けさせませんよ。
興行(映画館経営)しているものの強みである。

21世紀に入り、証券マンが映像コンテンツにも押し寄
せた。元銀行マンを社長につくった日本初映画ファンド 
(信託会社)。ところが大金に目のくらんだ会社は私物化
され、次々と社長の首をすげ替えるが、映画の価値を
知らない金融マンにそれは無理。最後には資金が不
足、信託の免許を取り上げられた事件 (2009年)はもう
誰も覚えていません。

フラガールは確かに当たった。しかし劇場経営に乗り
出したシネカノンは結局47億の負債で倒産。
観客が少ない日本では興行(劇場経営)が最大のボトル
ネック。必然的に不動産屋さんが効率いいことになる。

高いから行かない。行かないから高くする。(にわとりとたまご)