2011年7月6日水曜日

光と影 ③

4,000億円の収入を1日にすれば10億円強。それだけ
の予算を毎日芸人に明け渡し、地上波TV局はいった
い何を目的に存在するのか?

番組は視聴者のためにあり、視聴者を引き付けるか
ら視聴率がある。広告スポンサーも制作費を出しCM
の媒体枠が存在する。

自社製作の映画の番宣をやるのも結構だが、TVのス
クリーン版を1800円払って見る気はしない。
BBCのように世界に通じるドキュメンタリーならいいが、
TV拡大版は勘弁してほしい。

TVが芸人に奪われ、そろそろ失われた20年くらいにな
るだろう。震災後の日本だからやり直してはどうか。
AKBもそろそろいいだろう。ARASHIもいいだろう。
刑事ドラマ・学園ドラマ・ミステリー。40年前のコンテンツ
からそろそろ抜け出してもいいでしょう。

スタジオは安全。でも何も生まれません。NG連発でも編
集でなんとかなる世界。ロケは太陽があるからそうはい
かない。日没までに繋がるショットを撮影しないと翌日に
延滞。だから出演者もスタッフと一丸となり撮影は緊張の
糸でピンと張りつめます。

以前、毎回中国で1000人2000人のオーディションをする
ウーロン茶の撮影監督の専属音楽プロデューサーに聞
いた話。彼は待って待って待って、そして回さない日があ
る。何故?と聞いても返事はない。厳しいですね、そのロ
ケ。

その人と仕事をする時があった。準備万端。やはり回さ
ない。1時間2時間と時は過ぎ、スポンサー軍団の視線は
背中に刺さる。
聞いてみた。俺、空気見えたこと(説明は後日)あるんです
よね。やっぱり見えるんですか?黙ってうなづいた。
またかなり時間が過ぎた。いきなり撮影は始まった。
<空気が凍った状態>で緊張の糸が張りつめた。
彼は<凍った状態>が来るのをひたすら待っていたので
ある。現像したフィルムには<澄んだ空気が一緒にあり>
素晴らしい作品に仕上がった。

TV局に誰もいまは期待していない。それはどこかの政権
政党と同じではありませんか。期待されることを楽しみま
しょう。制作者の喜びは期待に応えることです。