タイガーウッズの次が片山晋呉。
トップアスリートの日向の部分がTVで見る活躍なら、日
陰の部分は生肉を食いちぎるような獰猛なアニマル性。
畳一畳ほどのアスリートの山頂(世界の頂点)にゼロメ
ートルから何年も賭けて這い上がるようなストイックさと
頂点を守り抜く精神力はまともな人間のなせる技では
ない。だからこそその儚い輝きが眩しい。
何度かプロゴルファーの撮影をさせて頂き、練習量に裏
付けられたテクニックに驚嘆しましたが、それを試合の
最終日最終組の1打ビハインドで出せる人は10人にひ
とり。最終日にゾーン(本能の牙を出す)に入ることが出
来る人はさらにその10分の1いるかいないか。
100人のトップアスリートが1つのカップを争う競技。
それがプロゴルフ。
紙一重じゃなく差はゼロに等しい。勝利の女神がほほえ
むかどうかは、勝つことだけに専念した常識を超えた練
習量からしか生まれない。だから、日向だけを見るのが
タイガーマニア、シンゴマニア、マルちゃんファンでいいと
思う。(いまはRYOくんらしいが)
RYOくんだってこのアニマルの壁(肉食獣)に当たる。
タイガーとランキングを争ったデビッドデュバルは奥さん
との離婚協議に疲労し80を切れないゴルファーになった。
PGAで13勝を上げたインテリは出身校ジョージアテック
(工科大)の殿堂入りを果たした。元メジャーチャンピオン
は80を切れないままPGAに出続け予選落ちを繰り返した。
支えていたのはナイキ。すぐに商品価値がないと見放す
日本とは質が違う。メジャーチャンピオンとは世界一。
その年のたったひとりの英雄。
どん底から10年経ちアベレージが72を切るようになった。
優勝こそないがここ2年で2位が2回。期待は熱い。
20代が活躍する最近のPGAの中でタイガーを筆頭に1日
10アンダーで回れるポテンシャルを持つ30代がたくさんい
ます。一度壊れたハートを再生するのがたとえトップアス
リートであっても何年もかかる作業。日向にいるのに活躍
してないから見ないではマニアではない。
日陰を見ることは必要ない。彼らに必要なのは最終日の
最終組で1打ビハインドの時に爆発するスーパーショットを
期待することだ。彼らの生涯を賭けたプレイを応援しよう。
デュバル・タイガー・マルちゃん・シンゴ。みな熱い30代。